かぜ薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬などにより、不眠、めまい、脱力感、ふるえ、動悸を起こしたことがある人
一方、ヒスタミンには脳内では覚醒、記憶、学習、自発運動などの働きもあります。抗ヒスタミン薬の成分が脳内に浸透し、ヒスタミンの働きが妨害されると、「眠気」やインペアードパフォーマンスと呼ばれる、眠気がなくとも「判断力が低下」したり、「学習能力が低下」する副作用が起こります。
アレジオンLX点眼液は緑内障の方でも使用できます。緑内障の目薬と併用する場合は、点眼間隔を5分以上あけてください。点眼間隔が短すぎると、最初に使用した目薬が次の目薬によって流されるなどして十分な効果が期待できなくなります。
なお、緑内障治療のために点眼後ゲル化する目薬(チモプトールXE点眼液やリズモンTG点眼液など)を使用している場合は、アレジオンLX点眼液を先に点眼して5分以上あけたあと、これらの目薬を使用してください。
チモプトールXE点眼液やリズモンTG点眼液などを先にさしてしまった場合は、10分以上あけてからアレジオンLX点眼液を使用してください。
なぜ、これらの薬は緑内障の場合に使ってはいけないとされているのでしょうか?
これらの薬物は、副交感神経を抑制する(抗コリン作用という言い方をすることが多い)か、あるいは交感神経を刺激する作用を持っています。どちらも同じような効果を持ち、瞳孔を閉じる働きを持つ毛様体筋を弛緩させるため、隅角が狭くなってしまい、眼圧上昇がおこると考えられています。
もっとも、開放隅角ならそんなに眼圧は上昇しませんし、仮に一時的に少し眼圧が上昇してもすぐ元に戻ります。
ただ、もともと狭隅角の場合は、抗コリン作用をもつ薬物によりさらに隅角が狭くなると、緑内障発作をおこす心配があります。つまり、狭隅角の方に限って危険なのです。
※隅角は虹彩の根元にあって房水が流出するところ。
[PDF] フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン配合錠
最近の抗ヒスタミン薬は効果発現も早く、飲み始めた日から、遅くても数日以内には効果が認められます。
図1に主な抗ヒスタミン薬のを示します。第1世代が50%以上の脳内H1受容体を遮断するのに対して、20%未満で非鎮静性とされます。赤い四角で囲ったものは第2世代と呼ばれるもので、すべて非鎮静性です。アレグラやアレジオンなどはOTC薬(市販薬)にもなっていて、ドラッグストアでも簡単に手に入るのでなじみが深いのではないでしょうか。
添付文書を読むと、「緑内障の人には禁忌」と書いてあることが結構あります。「狭隅角緑内障の人には禁忌」と書いてあることもあります。
緑内障禁忌のくすりのうち最も使うことが多いのは抗ヒスタミン剤でしょう。かゆみどめとしてよく使われ、花粉症の時にお世話になる方も多いでしょう。風邪薬にもよく入っています。
ということは、緑内障の人は、花粉症のくすりも風邪薬も使えないのでしょうか?
睡眠薬もほとんど緑内障禁忌と書いてあります。睡眠薬として現在最もよく使われているベンゾジアゼピン系の精神安定剤はすべて緑内障禁忌です。
つまり、添付文書に従うと、緑内障の人は睡眠薬ものめないということになります。不眠症の人はものすごく困りますよね。
第2世代のなかでも、ビラノア・アレグラ・デザレックスは特に脳内移行率が低く、自動車運転にも禁止・注意の記載がありません。
アレグラ錠60mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
緑内障の診断方法が変わり、昔にくらべてたくさんの人が緑内障と診断されるようになりました。緑内障の疑いがあり、半年に1回くらい定期的に診察を受けている人もたくさんいます。
ところが、緑内障の場合は禁忌(使ってはいけない)と添付文書に記載してある薬がたくさんあります。
かぜぐすり、せき止め、抗ヒスタミン剤、睡眠薬、胃薬の一部など・・・ これら全部を本当に使ってはいけないのなら、ものすごく不自由なことになります。
さて、いったいどうしたらいいのでしょう?
緑内障は,視神経と視野に特徴的変化を有し,通常,眼圧を十分に下降させることにより視神経障害
点眼薬で多く使われるのは「第2世代抗ヒスタミン薬」でしょう。ステロイド点眼薬も使われますが、緑内障などの眼圧が上がる可能性があるからです。まずは抗ヒスタミン薬で使って、緩和しないようならステロイド点眼薬を使用するようにした方が望ましいです。
ディレグラ配合錠(一般名フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン)がアレグラ ..
狭隅角でも、緑内障発作をおこさなければ全く無症状です。視神経や視野も問題ないことが多いので、健康診断などで見つかることもまずありません。眼科にかかったことがない限り、わからないのです。本人も気づきません。
急性緑内障発作は、こういう、全く無自覚・無症状の人におこります。眼科にかかったことのない狭隅角の人が危ないのです。
自分で緑内障の危険があるという意識は全くありませんから、添付文書に「緑内障には禁忌」とか「狭隅角には禁忌」と書いてあったとしても無意味です。
逆に、眼科で狭隅角のために緑内障の急性発作をおこす危険が高いと診断されても、レーザー虹彩切開術を受けていれば危険でなくなります。
つまり、内科などの医師が、患者さんに緑内障かどうか問診することは、緑内障の急性発作を防ぐのに役に立っていないのです。
花粉症の目薬「アレジオンLX点眼液0.1%」アレルギー性結膜炎治療薬
もちろん濃度が高いほど効果は発揮しやすいですが、前述の通り緑内障に注意して使用すべきで、でしょう。
第二世代抗ヒスタミン薬はアレジオン®、エバステル®、ジルテック®、タリオン®、アレグラ ..
(1)緑内障のほとんどは開放隅角で、抗コリン作用のある薬剤をのんでも危険はありません。
(2)狭隅角の人だけが危険ですが、眼科に受診していない場合、本人は緑内障の危険について無自覚・無症状なので、添付文書に記載があっても無意味です。
(3)狭隅角の人でも、眼科で予防的にレーザー虹彩切開術を受けていれば、緑内障急性発作の危険はありません。(この処置を受けていない場合は注意が必要です)
つまり、添付文書に緑内障禁忌と書いてあるのはあまり合理的ではなく、実際には不要な脅しになってしまっていることがほとんどです。
しかも、抗コリン作用がかなり弱くても、可能性だけですべて一律に緑内障禁忌になってしまっているのも問題だと思います。
もっとも、以上の議論はかなり単純化してしまっているのも事実。ものごとに例外はつきものです。たいていは大丈夫とはいえ、添付文書にある以上、一応眼科医にその薬をのんでよいかどうか尋ねていただくのが安全です。
また、ステロイド点眼は角膜疾患の有無や緑内障の有無、ステロイド ..
抗ヒスタミン薬の代表的な副作用が眠気や集中力低下です。上述した脳内のヒスタミン受容体占有率が高いほうが眠気が出る傾向が強いです。また逆に効果も占有率が高いほうが強い傾向にあると思います。