投与開始 54日目 軽快。 併用薬 :クラリスロマイシン、臭化水素酸デキス トロメ トルファン
クラリス DS は、酸性薬剤であるムコダイン DS と同時服用することで強い苦味を呈する。両薬剤を併用する場合には、苦味発現を防止するために服用間隔をあける等の注意が必要である。
内服薬の「薬剤調製料」は「1剤」を単位として算定します。2種類以上の薬剤が処方されている場合、服用時点が同じであるかどうかが「1剤」の基準となります。では、用法が同じ『クラリスドライシロップ10%小児用』と『ムコダインDS50%』を苦味回避のために別包で調剤した場合、2剤として薬剤調製料を算定できるのでしょうか?
(処方例)
Rp1)クラリスドライシロップ10%小児用 1g
分2 朝夕食後 14日分
RP2)ムコダインDS50% 0.6g
分2 朝夕食後 14日分
鴨息性気管支炎のため、近医にてムコダイン、クラリスロマイシン、テオフィ
クラリスドライシロップの服用性の改善[文献 1]
クラリスドライシロップ 10% 小児用は、発売当初のドライシロップ(1996 年)は、原薬であるクラリスロマイシンの苦味をマスキングするためにワックスマトリックス粒子とし、これに賦形剤や矯味剤を添加して調製した製剤であった。しかし、患児によっては苦味のために服用困難な場合もあり、さらなる苦味の軽減が大きな課題であった。そこで、ワックスマトリックス粒子を高分子皮膜でコーティングした製剤が一部変更申請され、2006 年に発売となった。このような苦味マスキングを行った結果、新製剤は水で服用すれば、苦味を感じにくい製剤設計となっている。しかし実際には、スポーツドリンク等の酸性飲料で飲ませているケースもあり、そのような場合には直ちに苦味が発現するという問題もある。
散剤は水に溶かせば服用できる。クラリス DS とムコダイン DS の同時処方は初めて(お薬手帳で確認)。
2006 年に発売されたクラリスロマイシン DS 製剤は、懸濁性や苦味のマスキング法に改良を加え、口腔内の pH 6.8 程度の環境下では原薬が溶け出さないよう工夫されている。一方、ムコダイン DS は酸性製剤であるため、クラリスロマイシン DS を同時に服用すると、前述のような製剤加工が施してあっても、酸性条件下で製剤加工が壊れてクラリスロマイシン原薬が溶出し、強い苦味が発現することが知られている[文献 2]。本報告では、苦味発現に関して後発品を含む各製剤を対象とした検討を行っているため参照されたい。
今回はお子さんに粉薬を飲ませる上で、混ぜると苦くなる薬についていくつかお話したいと思います。
その定番といえば「クラリスロマイシン」と「カルボシステイン」でしょうか?何故クラリスロマイシンとカルボシステインを混ぜると苦くなるのでしょうか?まずクラリスロマイシン原薬自体が苦く、苦みはキニーネに匹敵するほど強いと言われており、それをマスキングするため塩基性物質のコーティングを施したり、口腔内pH6.8程度では原薬が溶け出さないような工夫がされた製剤が上市されています。クラリスロマイシンとカルボシステインの併用で苦味がでるのは、カルボシステイン製剤が酸性であるため、前述のような製剤的工夫が施されていても酸性条件下で製剤加工が壊れ、原薬が溶け出してしまうためです。
上記のカルボシステインはドライシロップ(DS)や細粒に関してですが、シロップ(S)と混ぜても苦くならないことはあまり知られていません。シロップ剤はもともと、酸性のカルボシステインにpH調整剤を加えてpHを5.5~7.5にしているため苦くならないのです。ですので、カルボシステインをドライシロップ(または細粒)からシロップに変更する事も対策の一つになるでしょう。先発品と後発品では一部多少の違いはあれば大きな差までは無いようです。
上記は薬同士を混ぜて苦くなる例でしたが、次は薬と水以外で混ぜた時のお話です。先ほどのクラリスロマイシンですが、先程と同様の理由でヨーグルト、スポーツ飲料、果汁ジュース、乳酸菌飲料といったものと混ぜると苦みが増します。ゼリーでも酸味のある味では同様です。おススメはミルクココア、アイスクリーム(バニラ・チョコ)、練乳あたりです。クラリスロマイシン以外では同じマクロライド系抗生剤の「アジスロマイシン」でも似たような傾向にありますし、インフルエンザ治療薬の「タミフル(オセルタミビル)DS」は乳酸菌飲料、バニラアイス、リンゴジュースと混ぜると味が変化し飲み難くなります。以上の事は「乳幼児・小児服薬介助ハンドブック」が多数発売されており、薬局に常備しておく事をお勧めします。薬剤師の皆さんには、お子さんの服薬アドヒアランスを向上させるようなアドバイスをする事が求められます。