※ SGLT2阻害薬:スーグラ・フォシーガ・ルセフィー・ジャディアンス



尿糖の有無を調べる場合には、尿中のブドウ糖の量を測定することも可能ですが、一般的には、簡便な試験紙法を用います。

試験紙法の原理は、グルコースオキシダーゼ法が一般的です。

尿糖検査の結果は、(-)(+-)(+=1+)(2+)(3+)(4+)などと表記されます。

+の数が多いほど、尿中のブドウ糖が多いことを示します。

どのくらいのブドウ糖が尿中に漏れているのかは、尿試験紙のメーカーによって、+の基準が異なるため、一概には言えません。

多くの試験紙では、(+-)以上は異常である、つまり、健常者でみられるよりも多くのブドウ糖が尿中に漏れていることを示します。

尿試験紙の例として、
アークレイ社 オーションスティックスのブドウ糖の表記を確認すると、

尿糖:
(+-) 50mg/dl、 (+)100mg/dl、
(2+)200mg/dl、(3+)500mg/dl、
(4+)1000mg/dl となっています。

健常者の尿中のブドウ糖の量は、20mg/dlまでですので、(+-)は、異常と判断されます。



その他のメーカーとして、テルモが販売しているウリエースKcがあります。

ウリエースKcでは、
尿糖:
(+-)50mg/dl、 (+)100mg/dl、
(++)500mg/dl、
(+++)2000mg/dl
となります。

(+-)以上だと、尿糖は基準値よりも多くなります。



血糖値が高くなるほど、尿中へのブドウ糖の排泄量は多くなります。

そのため、尿中にブドウ糖が多く漏れている(=+が多い)ほど、血糖値が高いと考えても差し支えないでしょう。

最後に、尿糖の検査は、

① 尿は濃くなったり、薄くなったりする。

② ビタミンC(アスコルビン酸)を多量摂取すると、陰性化することがある。

ため、あくまでスクリーニングであり、正確な値を知ることはできません。

実際の血糖値や一日の尿糖の量を知るためには、別の検査が必要です。





次に、健康診断で尿糖の検査をおこなう理由を説明します。

尿糖は、血糖値が、160~180mg/dlを超えた場合に陽性になります。

言い換えると、尿を取る前のどこかで、血糖値が160~180mg/dlより高くなると、尿糖が陽性になります。

(*妊娠中は血糖値が正常でも尿糖陽性になります。)



では、血糖値が、160mg~180mg/dlを超える状態とはどういう状態でしょうか?

健常者の血糖値は、一日を通して、100mg/dl前後に維持されています。

しかし、糖尿病になり、血糖値が高くなると、160mg/dlを上回ることがおこります。

初期の糖尿病で血糖が上がりやすいのは、糖分をたくさん摂取した食後です。





SGLT-2阻害薬は尿から余分な糖分を排泄する作用して、血糖値の調整をおこなう薬です。

[PDF] フォシーガ錠を服用される 1型糖尿病の方・ご家族の方へ

サルスクリニックでは生活習慣病に関する各種検査や診断はもちろん、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの生活改善アドバイスも行っています。WEBからの受診予約も可能ですので、高い尿糖値が出て不安に思われている方は、ぜひ一度ご相談ください。

SGLT-2阻害薬はこの尿細管での糖の吸収を抑えて、そのまま尿の一緒に糖分を排泄するようにします。

*尚、フォシーガはSGLT2阻害薬と呼ばれるお薬の一つです。フォシーガが格段に有名なので薬剤名を挙げていますがこの記事の内容はSGLT2阻害薬全体を示しています。

こちらの患者さんは30歳代の男性で、健康診断受診のために当院へお越しになりました。もともと血圧が高めで降圧剤を服用していたほか、近年は体...


尿糖(糖尿)の解説 ー 尿糖 プラス 1+ 2+ 3+ 4+ の意味とは


皆さんは、尿がどのようにして、作られているか、御存じでしょうか?

尿は、血液を腎臓で濾過することで作られています。

イメージとしては、水道の蛇口につける濾過機を想像して下さい。

濾過機は、汚水をフィルターに通すことで、不純物を除き、キレイな水にする事ができます。

腎臓は、体内の血液中の不要物を尿として体外にだす働きがあり、その働きは、濾過機に似ています。

濾過機は、ただ液体をろ過してして、不要物を除去しているだけですが、

腎臓は、蛇口につける濾過機よりも、ずっと高性能であり、多くの機能をもちます。

腎臓が尿を作る際には、下記の順番で作っています。

① 血液を毛細血管のかたまりである糸球体で濾過して、原尿(=ろ過した血液)を作ります。

② 原尿(=ろ過した血液)を、尿細管と呼ばれるところなどで、体にとって大切な物質(例:水分・電解質・栄養素など)を再吸収します。

③ 残った老廃物・水分を尿として体外にだします。

原尿を、そのまま体外にださずに、再吸収している理由は、

健常者では、原尿は、1日あたり約150リットルに及ぶため、水分を再吸収せずに、そのまま排泄すると死んでしまうからです。

また、原尿の中には、ブドウ糖や電解質などの生命維持に必要な物質が多量に含まれており、それらも再吸収しています。



参考文献:

SGLT2阻害薬服用患者さんへの「尿糖測定マネージメント」の有用性

フォシーガ錠は5mgと10mgがあり、必要性や用途に応じて量を調整していきます。

[PDF] SGLT2 阻害薬投与前後の血糖ならびに 尿量変化について

尿糖の検査結果だけで糖尿病などの診断はできませんが、尿糖が陽性となった原因が糖尿病などの病気である可能性は考えられます。早期発見と悪化予防のため早めに医師に相談し、血液検査など必要に応じた精密検査を受けることが重要です。

対象は、2014年4月~2018年10月までに東邦大学医療センター大森病院で,糖尿病にお.



尿糖陽性の方の精査は、初めに、問診、身体診察、血液検査(血糖値など)の評価を行います。

検査結果をみて、明らかに糖尿病のある方の場合には、治療にうつります。

糖尿病が疑わしい場合には、経口ブドウ糖負荷試験を行い、糖尿病の確定診断を行います。



フォシーガ錠10mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

患者さんから腎臓病の治療として注目を集めているフォシーガという薬についてご相談を頂くことが多くなってきたので触れたいと思います。

注意点 | フォシーガ錠 | 小野薬品の薬を使用されている方へ

フォシーガは糖尿病の治療薬として使われていましたが、血糖値を下げるだけでなく腎機能を保護する効果も期待され、糖尿病の患者さんには積極的に使用されていました。

尿検査(尿糖)において注意点を1つ! 糖尿病治療薬にSGLT2阻害薬という ..

今回は通院患者さんの背景疾患として増えてきました糖尿病のお薬の中で、特に心臓・腎臓の両者を守る効果も兼ね備えたSGLT2阻害薬についてのお話をしたいと思います。

今回の研究の目的は、アルブミン尿を合併した2型糖尿病患者さんを対象として,糖尿病治療薬であるSGLT2阻害

ただし、フォシーガの腎保護効果について明らかになっていることと、明らかになっていないことがあり、積極的に使用したい場合とそうではない場合を筆者の主観で以下のように分けてみました。

4)。 EMPA-KIDNEY 試験(糖尿病患者 46%)では,正常アルブ


健康診断や人間ドックの尿検査で「尿糖は陽性です。」と告げられると、衝撃を受けます。



糖尿病は、「糖尿 + 病気、つまり、尿に糖がおりる病気。」と表記します。

そのため、尿糖の検査は、糖尿病のスクリーニング目的だろうと思う方もみえると思います。

では、尿に糖がおりるとは、一体、どういう状態なんでしょうか?

今回は、尿糖陽性を指摘された方に向けて、医療知識がない方にもわかりやすく、ポイントをまとめて説明していきたいと思います。






フォシーガの副作用は?初期症状やダイエットにおける注意点を解説


「質問」
尿が泡立っています、これって尿糖がでているってことですか?

「回答」
尿の泡立ちと尿糖との関連について報告された文献はありません。

また、尿が泡立つからと言って、尿を一度調べてみないと、病気であるかどうかは何とも言えません。

一般的に、尿は濃くなったり、薄くなったりします。

尿がいつも泡立つときには、尿糖・尿蛋白などの異常が生じている可能性は否定できません。

心配なら、一度、外来を受診しましょう。

フォシーガを使用したダイエットでの注意点は、主に以下の4つです。 ..

通常、尿糖計は0〜2,000mg/dLの尿糖値を測定できるものが汎用されていますが、近年では200〜5,000mg/dLまで測定できるワイドレンジモデルが登場し、特にSGLT2阻害薬服用者の尿糖排泄状況を確認できるとして期待が寄せられています。